精油の云われ

オークモスは、自然界で最も粘り強い香りの固定剤の1つであり、主に香水の芳香時間を延ばし、深みを与えるために使用されます。特にシプレーやフゼアタイプの香水でベースノートとして用いられることが多く、そのほかにも多数の香水に使われています。 Evernia prunastriとしても知られるオークモスは、北半球周辺の森林で見られる真菌である地衣類の一種です。その名前が示すように、オークモスは他の落葉樹や針葉樹に見られますが、一般的にオークの木の枝や幹に成長します。この地衣類は非常に短く平らで、鹿の角の形に似ている葉状体をしています。オークモスの色はさまざまで、乾燥するとミントグリーンまたはほぼ白になり、濡れるとダークオリーブグリーンになり、黄色がかった色になります。
香りの印象は、革のような湿った林床を思い出させます。さらにわずかな木質の香りがあり、苔むした森の香りがします。
精神面への云われは、心の安定とグラウンディングです。鎮静作用のある精油とされ、就寝前、瞑想、休憩時などに落ち着きを取り戻すのに最適で、思考の整理、次への活力とつながっていきます。またネイティブアメリカンはLung of oak（オークの肺）と呼び、呼吸器系の調子を整えること、外傷を癒すことに使っていたとされています。また、海外ではギャンブル依存症に良いとされる場合があります。これは鎮静作用による心の安定化、カーミング、グラウンディングにより、一時的な衝動にとらわれず、戸惑いの無い心で本質を見極める力を養う効果を期待するメンタルトレーニングで使用されるそうです。
強力なベースノートとして主役の精油を引き立てる特徴があり、ブレンドは相性が良い柑橘系と合わせることで、よりハッキリとした柑橘の香り、そして長く芳香を楽しむことができます。